皆様こんにちは。TOM1192です。
今回は、自身の運用する1号機の運用頻度低下を目的として導入した、MiniPCのレビューを行いたいと思います。
もし、似たようなPCの導入を考えているのであれば参考にしていただければ幸いです。
さて、はじめていきましょう。
1.購入したブツ
今回、購入したPCは、
中華ブランド品と思われる、MiniPCです。
価格は約4万円と比較的安くはありませんが、メモリが16GBだったり、SSDが512GBと比較的大容量搭載されているという点を鑑みればそのコストも割と納得なのかもと言い聞かせています。
もう少し予算を積めるのなら、第11世代のCore iシリーズを載せたモノか、Zen2以上のRyzenを採用したモノを選ぶのが理想でしょう。
2.内容品
今回購入したブツには
- ACアダプター(12V2.4A=48W品)
- HDMIケーブル(Ver.1.4 or 2.0)
- VESAマウント+装着用ネジ
の3つが付属していました。
ディスプレイの裏に搭載するのも検討できるのはいいところだと思います。
3.スペックシート
このPCのスペックを記載すると、
- CPU・・・IntelCeleron N5095(4C4T 2.0GHz)
- メモリ・・・DDR4-2993 8GBx2(16GB)
- SSD・・・M.2 SATA接続 512GB
- USB・・・3.0x2+2.0x2(フロント)、3.0x2(リア)
- 映像出力・・・DP1.2、HDMI2.0、D-sub15ピン
- ネットワーク・・・I225-V(有線、2.5Gbps対応)、Realtek 8821CE(無線、WiFi5+BT5.0対応)
- OS・・・Windows 11 Pro(後にWin10 Proへとダウングレード)
となっています。
各種コンポーネントを説明していきますね。
3-1 CPU
このPCはタイトルにもあるとおり、Intelの最新のAtomこと、Celeron N5095が採用されたPCとなっています。
何と言っても最大の特徴はIceLake以降と同様の10nmで製造されたCPUとなっており、Atomとしては初の10nmCPUとなっています。
CPUのコアは「Tremont」が採用されており、後に改良されてAlderLakeにも搭載される省電力コアが4コア搭載されています。
定格クロックは2.0GHzですが、TB時には最大2.9GHz動作が可能であり、その見た目とは裏腹に意外と頑張ってくれるCPUです。
また、消費電力が実測12W~25Wが最大値であり、自作1号機のアイドル時の消費電力が180Wであるため、12分の1くらいの省電力であるということがうかがえます。
AMDにはこのタイプに匹敵する低消費電力コアは製造していないため、まさしくIntelの独壇場ともいえる領分です。
なお、この領域はARMが侵食している節もありますが、x86系CPUのメリットである64bitのネイティブ対応のアドバンテージが覆らない限りはIntelの安泰は続くでしょう。
Cinebench R23のマルチスコアは1817、シングルスコアは528と特別高いわけではありませんが、Core i7 6500Uのマルチスコアに匹敵するあたり、10nmの恩恵はバッチリでているものがよくわかるかと思います。
もっとも、当方はすでにTigerLakeを購入済みでしたので、そのすごさは体験済みでしたが、Atom系列でもその効果が出るのは意外でした。
3-2 メモリ
メモリにはCrucialのDDR4-3200のネイティブメモリが2本で16GB搭載されています。
ただ、JasperLakeは最大対応クロックが2933MHzであるため動作クロックも2933MHzとなります。
前代のGeminiLakeが2400MHzまでの対応であったためこの部分も進化しています。
このため、内臓GPUの性能も若干向上しています(誤差範囲ではありますが)。
3-3 SSD
Natecという中華メーカーの512GBのSSDが搭載されています。
CrystalDiskInfoでのデータはこんな感じ。
ちゃんと新品でした。
CrystalDiskMarkでの結果はこんな感じ。
シーケンシャルライトがSATA系のSSDとしてちょっと低いくらいところが気になりますが普通の範疇なので問題はないでしょう。
3-4 GPU
Intelの内臓GPUである、Intel UHD Graphicsと名前は前代から変わっていませんが、世代はTigerLakeの1個前の世代のIceLakeと同じ世代となっているのが特徴であり、GPU機能が強化されています。
特に、AMDやNvidiaが当然のように実装している「整数倍スケーリング機能」が使える世代の境目がまさにこのIceLakeからであり、例にもれずこのGPUも整数倍スケーリングが使用可能です。
このレトロ・スケーリングが整数倍スケーリング設定です。
GPU性能が極端に高くないのはいつものことですが、古いゲームを動かすくらいならどうにかなるかと思います。
映像出力はDP1.4x1、HDMI2.0x1、D-sub15ピン(内部DPから変換)の計3つ。
ただし、おま環なのか、DP1.4のフル出力(4K120p+HDR)に加えてHDMI2.0で4K60pを使う場合は片割れがブラックアウトするようです。
単純な4K60pが2枚なら出力が可能であるとは思いますが、いまだに理由は不明です。
3-5 ネットワーク
有線LANは1ポートあり、チップには悪名高きIntelのI-225Vが搭載されています。
2.5Gbps接続ができますが、NUC11のときもちょくちょく発生していたダウンリンク現象は解決しておらず、このPCならI-219でも良かったんじゃと思わなくもないです。
無線LANはRealtek 8821CEが採用されており、WiFi5(802.11ac)で433Mbps、BT5.0が使用できます。
が、WiFi性能はローエンド相当と低く、有線との性能差があべこべなのが気にならなくもありません。
とはいえ、BTが使えるので、マウスやキーボードをレシーバなしで運用できます(まあ運用していないんですが…)。
3-6 OS
初期状態ではWindows11 Proがインストールされています。
が、Windows11は内部バージョンがWindows10と同じなので、Windows10へとダウングレードできます。
UIに不満がある場合はWindows10を再インストールすればOKです。
もちろんWindows10のProである必要がありますが…
ちなみに、Windows10以外にもLinuxを使うこともできますが、軽量なOSであるChromeOS Flexはインストール時にネットワークを必要とします。が、よりにもよってI-225VもRealtek 8821CEも対応しておらず、初っ端から詰みますので使えません。
4.オススメできるユーザー
全体の性能はローエンドとしては非常に高いレベルでまとまっていますが、あくまでローエンドとしてという前置きがつく以上、メインでガンガン使う用途には向いていません。
あくまでメイン機のサブとして運用するのが理想的でしょう。
ディスプレイによってはDPやHDMIがそれぞれ1系統しかないこともあり、こういった場合は分配器を用意して使うといいでしょう。
DP分配器はこちらを使用しています。
DPケーブルはこちらを使ってますね。
また、標準のサウンド再生性能は高いわけではないので、USB-DACなりHDMIからTosLinkを取り出すなりと使うほうがよいでしょう。
静音・低消費電力の強みを最大限活用するのがコレの最高の利用法といえます。
今回はここまで。
次回は、コイツの分解レビューを書くかも。